LYKAONとは、徘徊症状がある要介護者の外出を未然に知らせる支援システムです。
LYKAONの監視カメラで映像、または写真などの外部静止画像を登録するだけで、入口に設置した監視カメラが24時間いつでも自動で要介護者を検知。検知アラートやブザーで知らせてくれます。オプションでスマートフォンなどへのプッシュ通知や、メールでの通知機能もあるので、他の介護スタッフとも連携がスムーズです。
また、登録された要介護者のみを顔認証で識別するため、出入りの多い箇所でも誤作動なく正確に検知することが可能です。要介護者に持たせたり身に付けたりするものがなく、身体的な拘束もないので、ストレスフリーで安心。徘徊症状がある要介護者への迅速な対応が可能となり、行方不明などの深刻な問題を未然に防ぐことができます。
- ※本製品の運用にあたり、個人情報の取扱について個人情報保護法を順守しております
- ※利用目的:徘徊による施設等からの無断外出の防止
- ※情報取得:本人または入所申込者の同意により登録
- ※利用期限:同意取得後に登録し、退所時に削除
顔認証徘徊防止システム LYKAON-リカオン-を導入しました。
緑陽館のエントランスと事務所
エントランス先の配置された顔認証カメラで登録された方の顔情報を検知・認証。
館内のアラートやメールで知らせてくれます。
顔認証カメラで検知した画像。
複数の写真と時刻が記録される。
入居者様の「自由」と「安全」の両立を目指し、導入を決意。
高精度の見守り効果でスタッフの負担も軽減しました。
現在「緑陽館」には、お元気な方から、要介護の方まで、約100名の方がご入居されています。手厚い介護支援の提供や24時間の見守り体制など、入居者様が安心・安全な生活を送れるように職員一同努めていますが、緑陽館は「介護施設」ではなく、「住宅」なので、入居者様の「自由」も尊重しています。
しかし、入居当初は健康な方でも数年後に認知症を発症したり、「自分はまだまだ元気でしっかりしている」と思われていても実際はそうではなかったりします。認知症予備軍を含め、入居者様の約8~9割が認知症というのが現状です。特に重度の方には、安全の確保や見守りが重要になりますが、「管理・監視」を徹底しすぎると、束縛やストレスにつながりかねません。そういう点からも入居者様の「自由と安全の両立」は、現場にとって大きな課題でした。
緑陽館はもともと、認知症による徘徊や無断外出を未然に防ぐため、エントランス横に事務所を構えています。職員は、常に入居者様の出入りに気を配っていますが、日中は人の出入りも多く、業務も多岐にわたるため、「別業務の対応でほんの少し目を離した隙に、誰かについて勝手に出て行ってしまった」ということが何度かありました。ベテランの職員でも、認知症による徘徊は予測が困難なため、一時はGPS機能付きのブレスレットを導入したこともあります。しかし、いざというときにエラーがでたり、電池切れだったりと期待するような成果は得られませんでした。
そして、ようやく辿り着いたのが「顏認証徘徊防止システム LYKAON」です。高精度な顔判別が可能である点、パソコンに履歴が残り再発防止役立つ点、入居者様の身体的な拘束や束縛がないという点も理想的で、即導入を決めました。
設置して3カ月経ちますが、すでに何度もLYKAONに助けられています。特に、監視カメラに対し、下を向いた状態や横顔でも顔を判別し、感知する性能の高さには、とても驚かされました。限られた職員の数で認知症による徘徊を見守らなければいけないという緊張感や精神的負担も、LYKAONを導入することでかなり軽減したと思います。
実際、エントランス横の事務局で働く滝本さんからは、「本当に助けられています。日中、業者の方やボランティアスタッフの方、ご家族など出入りがとても多いので、「万が一」のために常に気を張っていましたが、電話対応をしている時にまぎれて外に出てしまう…ということが、どうしてもありました。ですが、LYKAON導入後は今のところすべて未然に防げています。気持ち的にもだいぶ違います」という声をもらいました。
また、感知すれば大きなアラートやメールで知らせてくれるため、事務所だけでなく館内にいる介護職員もすぐに気づくことができます。より多くのスタッフが気づくことで迅速な対応ができますし、職員が入居者様とそのまま一緒に散歩に行くという選択肢も可能になりました。もし万が一、無断外出しても、カメラの履歴を調べれば、すぐに外出時の時間や服装などが分かるので、いざという時も心強い限りです。
高齢者介護の現場では、緑陽館のような高齢者向け住居をはじめ、常に利用者の方の「自由」と「安全」の両立が求められ続けています。それがLYKAONの導入により「認知症患者の徘徊防止」という面で、限りなく可能になることを実感しました。「外に出て行ってしまうかもしれない」という職員の不安の軽減も、仕事に対するモチベーションの向上や、介護・サービスの充実、質の向上につながると期待しています。